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農地転用申請の提出先と申請期限-農業委員会・都道府県の役割と期限の考え方を整理-

農地転用申請の提出先と申請期限-農業委員会・都道府県の役割と期限の考え方を整理-

はじめに

農地転用を検討する際、
「どこに申請すればよいのか」
「いつまでに出せばよいのか」
という点で戸惑うケースは少なくありません。

農地転用は、
許可・届出の別や、
農地の所在によって、
提出先や申請期限の考え方が異なる手続きです。

また、農地転用の申請には、

  • 全国共通のルール

  • 自治体ごとの運用

が混在しており、
期限を誤ると1か月以上スケジュールがずれる
こともあります。

本記事では、

  • 農地転用申請の提出先

  • 許可申請と届出の違い

  • 申請期限の基本構造

  • なぜ期限が厳格に管理されているのか

を整理し、
農地転用申請の「提出先と期限」について
制度面から解説します。


農地転用申請の提出先は原則「市町村」

農地転用申請の提出先は、
原則として市町村の農業委員会事務局です。

これは、

  • 農地法4条(自己転用)

  • 農地法5条(権利移動を伴う転用)

のいずれの場合でも共通です。

多くの自治体では、

  • 市役所

  • 町役場

の中に、
農業委員会事務局(農政課・農林課など)が設置されています。


「都道府県知事の許可」なのに市町村に出す理由

農地法では、
市街化調整区域や非線引き区域における農地転用は
都道府県知事の許可とされています。

それにもかかわらず、
申請書の提出先が市町村であることに
疑問を持たれることがあります。

これは、農地転用の手続きが、

  • 市町村(農業委員会)

  • 都道府県

二段階構造になっているためです。


農地転用申請の流れと提出先の関係

農地転用許可申請の基本的な流れは、
次のようになります。

  1. 申請書を市町村の農業委員会事務局に提出

  2. 農業委員会での審査・意見決定

  3. 都道府県(または権限移譲市)へ送付

  4. 都道府県での最終判断

  5. 許可書の交付

申請者が直接、
都道府県に提出することはありません。


権限移譲されている自治体の場合

近年では、
一定の要件を満たす市町村に対し、
農地転用許可の権限が移譲されているケースもあります。

この場合でも、

  • 申請の提出先は市町村

  • 農業委員会の関与は必須

という点は変わりません。

ただし、

  • 審査期間

  • 県への送付の有無

といった運用は、
自治体ごとに異なることがあります。


市街化区域の農地転用(届出)の提出先

市街化区域内の農地転用については、
許可ではなく届出となります。

この場合の提出先も、
市町村の農業委員会事務局です。

届出の場合は、

  • 都道府県への送付は不要

  • 市町村内で完結

するのが一般的です。


農地転用申請の「申請期限」とは何か

農地転用の申請期限は、
法律で明確な日付が定められているわけではありません。

しかし実務上は、

  • 市町村ごとに申請締切日が設定
    されており、
    この締切を過ぎると、
    翌月扱いとなります。

この申請期限の考え方は、
農地転用手続きの中でも
特に重要なポイントです。


なぜ申請期限が設けられているのか

農地転用申請には、

  • 農業委員会の定例会

  • 都道府県での審査

といった、
複数の意思決定プロセスがあります。

多くの農業委員会では、

  • 月1回の定例会

で、
農地転用案件をまとめて審議します。

そのため、

  • 定例会に間に合うかどうか

を基準として、
申請締切日が設定されています。


申請期限の一般的な目安

申請期限の設定は自治体ごとに異なりますが、
多くの場合、

  • 月初〜中旬

  • 定例会の2〜3週間前

に締切が設けられています。

たとえば、

  • 毎月10日締切

  • 毎月15日締切

といった運用が一般的です。


申請期限を過ぎた場合どうなるか

申請期限を1日でも過ぎると、

  • その月の定例会にはかからない

  • 翌月分として扱われる

ことになります。

結果として、

  • 許可が1か月以上遅れる

ケースも珍しくありません。


補正対応と申請期限の関係

申請期限を守って提出しても、
補正が期限内に完了しない場合、

  • 次回定例会送り

となることがあります。

そのため、実務上は、

  • 形式的な提出期限

  • 補正完了まで含めた実質的期限

の両方を意識する必要があります。


市街化区域(届出)の期限の考え方

市街化区域内の農地転用届出には、
許可申請ほど厳格な締切日は設けられていないことが多いです。

ただし、

  • 届出後でなければ工事できない

  • 受理証明の発行が必要

といった事情から、
余裕を持った提出が望まれます。


農振除外が関係する場合の期限の考え方

農用地区域内農地では、

  • 農振除外

  • 農地転用申請

という二段階の手続きが必要です。

農振除外は、

  • 年1回または数回のみ受付

という自治体も多く、
農地転用の申請期限とは
別次元のスケジュール管理が必要になります。


よくある誤解①

「いつでも申請できる」

農地転用は、
いつでも自由に申請できる手続きではありません。

  • 月ごとの締切

  • 定例会のスケジュール

を前提として進むため、
タイミングを誤ると
大きく遅れる可能性があります。


よくある誤解②

「提出した日が基準になる」

実務上は、

  • 提出日
    ではなく

  • 受理・補正完了日

が基準として扱われることがあります。

形式的に出しただけでは、
期限を満たしたことにならない点は
注意が必要です。


申請期限を考える際の整理方法

農地転用申請の期限を考える際は、

  1. 市街化区域か、市街化調整区域か

  2. 許可か、届出か

  3. 農振除外が必要か

  4. 建築・開発許可と連動するか

という順序で整理すると、
全体のスケジュールが見えやすくなります。


まとめ

農地転用申請の提出先は、
原則として市町村の農業委員会事務局です。

一方、申請期限については、

  • 法律で一律に決まっているわけではなく

  • 市町村ごとに締切日が設定

されているのが実務の実態です。

申請期限を1日過ぎるだけで、

  • 審査が1か月以上遅れる

こともあるため、
提出先と期限の把握は
農地転用手続きの基本になります。

農地転用を検討する際は、
申請内容だけでなく、
いつ・どこに出すのかという点を
あらかじめ整理しておくことが重要です。