目次
土地売買届出の制度改正を解説-国土利用計画法の改正ポイントと土地取引への影響-
はじめに
土地売買を行う際には、不動産契約や登記手続きだけでなく、行政への届出が必要になるケースがあります。
その代表的な制度が 国土利用計画法に基づく土地売買等の届出制度です。
一定規模以上の土地取引を行った場合、土地の権利取得者は契約後に行政へ届出を行う必要があります。
そしてこの制度について、令和8年4月1日から制度改正が施行されることになりました。
今回の改正では、特に法人が土地を取得する場合の届出内容が変更され、届出事項が追加されます。
土地売買を行う企業、不動産事業者、土地投資家にとっては、制度改正の内容を理解しておくことが重要です。
この記事では
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国土利用計画法の土地売買届出制度
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制度改正の背景
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改正の具体的な内容
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土地売買への影響
について、分かりやすく解説します。
国土利用計画法の土地売買届出制度とは
国土利用計画法は、日本の土地利用を適正に管理するための法律です。
土地は住宅、商業施設、農地、自然環境など様々な用途で利用されますが、無秩序な土地取引や過度な土地投機が発生すると、地域の土地利用に大きな影響を与える可能性があります。
そのため国土利用計画法では、一定面積以上の土地売買について行政が把握できるようにするため、土地売買等の届出制度を設けています。
この制度の目的は次のとおりです。
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無秩序な土地利用の防止
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投機的な土地取引の抑制
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適正な土地利用の確保
つまり、土地売買そのものを規制する制度ではなく、行政が土地利用の状況を把握するための制度と言えます。
届出が必要になる土地売買
国土利用計画法では、すべての土地売買に届出が必要になるわけではありません。
一定面積以上の土地を取得した場合に限り、届出義務が発生します。
面積基準は次のとおりです。
市街化区域
2,000㎡以上
市街化区域を除く都市計画区域
5,000㎡以上
都市計画区域外
10,000㎡以上
この面積以上の土地取引を行った場合、契約締結後2週間以内に自治体へ届出を行う必要があります。

出典:国土交通省 国土利用計画法 周知用リーフレット
土地売買届出の流れ
土地売買届出は、一般的に次の流れで行われます。
土地売買契約を締結
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土地の権利取得者が届出書を作成
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契約後2週間以内に自治体へ提出
↓
行政が土地利用目的を確認
届出書には
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土地の所在地
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土地の面積
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契約金額
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土地の利用目的
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契約の種類
などの情報を記載します。
行政は届出内容を確認し、土地利用が適正かどうかを判断します。
制度改正の背景
今回の制度改正は、土地取引の透明性を高めることを目的として行われました。
近年、日本国内では
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海外資本による土地取得
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外国企業による不動産投資
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大規模土地開発
などが増加しています。
土地利用は都市計画、防災、インフラ整備などと密接に関係するため、行政としては土地取得者の実態をより正確に把握する必要があります。
そのため今回の制度改正では、法人の情報に関する届出事項が追加されることになりました。
改正内容のポイント
令和8年4月1日からの制度改正では、法人が土地を取得する場合の届出事項が追加されます。
追加される主な項目は次のとおりです。
法人代表者の国籍
同一国籍の者が役員の過半数を占める場合の国籍
同一国籍の者が議決権の過半数を占める場合の国籍
つまり、法人の意思決定に関わる人物の国籍情報を行政が把握できるようにする制度です。
制度改正が土地売買に与える影響
今回の制度改正によって、土地売買自体が制限されるわけではありません。
しかし、法人が土地を取得する場合には
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代表者の国籍確認
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役員構成の確認
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議決権構成の確認
などが必要になるため、届出書作成の際の確認事項は増えることになります。
特に海外資本が関係する企業では、事前に情報整理を行うことが重要になります。
土地売買で注意すべきポイント
土地売買では、不動産契約や登記に意識が集中しがちですが、一定規模以上の土地取引では行政手続きも必要になります。
特に注意すべきポイントは次のとおりです。
届出期限は契約後2週間以内
届出義務者は土地の取得者
届出が必要な面積基準を確認する
土地売買を行う際には、契約前の段階から届出制度を確認しておくことが重要です。
まとめ
国土利用計画法では、一定規模以上の土地売買について届出制度が設けられています。
届出が必要になる面積基準は
市街化区域
2,000㎡以上
都市計画区域
5,000㎡以上
都市計画区域外
10,000㎡以上
です。
そして令和8年4月から、法人が土地を取得する場合には
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代表者の国籍
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役員の国籍構成
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議決権の国籍構成
などの情報が届出事項として追加されます。
土地売買を行う企業や不動産事業者は、制度改正の内容を理解し、適切に対応することが重要です。