農地転用手続きの流れについて解説

農地転用手続きの流れについて解説

・「農地に家を建てたいが、何から始めればいいのか分からない」

・「農地転用の手続きは、どこに申請すればいいの?」

農地転用は、単に申請書を提出すれば終わる手続きではありません。事前確認から申請、許可(または受理)まで、いくつかの段階を踏んで進める必要があります。

この記事では、以下の内容を整理して解説します。

・農地転用手続きの全体の流れ

・各段階で行うこと

・申請・届出の具体的な提出先

・自治体ごとに異なるポイント

農地転用手続きの全体像

農地転用は、一般的に次の流れで進みます。

1.事前確認・事前相談

2.必要書類の準備

3.農地転用の申請(または届出)

4.審査・現地確認

5.許可(または受理)

6.次の手続きへ進む

以下、それぞれを順番に見ていきます。

① 事前確認・事前相談

最初に行うべきなのが、その土地で農地転用が可能かどうかの確認です。この段階では、以下の点を整理します。

・農地の場所

・周辺の状況

・どのような目的で使うのか

多くの場合、市役所や町役場にある農業委員会事務局で事前相談を行います。ここで、「農地転用に該当するか」「3条・4条・5条のどれに当たるか」「許可が必要か、届出で足りるか」といった大枠の方向性が確認されます。

この段階で可否や難易度がおおよそ分かることが多いため、いきなり書類作成に進むのはおすすめできません。

② 必要書類の準備

事前確認の内容をもとに、農地転用の申請・届出に必要な書類を準備します。一般的には、次のような書類があります。

・農地転用の申請書(または届出書)

・土地の位置や形状が分かる図面

・現況が分かる写真

・利用計画が分かる資料

ただし、必要書類や様式は自治体ごとに異なります。事前相談で案内された内容に沿って、準備を進めることが重要です。

③ 農地転用の申請(または届出)

書類が整ったら、農地が所在する市町村の農業委員会に申請または届出を行います。

申請・届出の提出先【具体例】

・○○市にある農地 → ○○市農業委員会

・△△町にある農地 → △△町農業委員会

多くの場合、「市役所」「町役場」の中に「農業委員会事務局」という窓口があります。市役所の総合案内で「農地転用の相談」「農業委員会」と伝えれば案内してもらえます。

※申請書の提出先は農業委員会ですが、最終的な許可を出すのは都道府県等になる場合もあります。ただし、提出先を自分で判断する必要はありません。

④ 審査・現地確認

申請後は、提出書類をもとに審査が行われます。

自治体によっては、「現地確認」「計画内容の詳細確認」が行われることもあります。

この段階で、「追加書類の提出」「計画内容の修正」を求められる場合もあります。

⑤ 許可(または受理)

審査の結果、問題がなければ、「農地転用の許可」「または届出の受理」が行われます。ここで初めて、農地として使うのをやめることが認められた状態になります。許可(受理)前に造成工事や建築工事を始めることはできません。

⑥ 次の手続きへ進む

農地転用が認められた後、必要に応じて、「開発許可」「建築確認などの手続き」へ進みます。農地転用は、他の手続きの前提になることが多いため、順番には注意が必要です。

農地転用手続きは自治体ごとに異なります。農地転用の制度自体は全国共通ですが、実際の運用や進め方は自治体ごとに異なります。

たとえば、「事前相談が必須かどうか」「必要書類や様式」「申請の締切日や審査スケジュール」「現地確認の有無」などに違いがあります。

そのため、インターネット上の一般的な流れを参考にしつつも、実際に進める際は自治体の運用確認が欠かせません。

まとめ 農地転用手続きは「流れ」と「窓口」の理解が重要

・農地転用は段階的に進める手続き

・最初は事前確認・事前相談から始まる

・申請・届出の窓口は農地所在地の農業委員会

・流れは共通だが、運用は自治体ごとに異なる

農地転用は、進め方を誤ると計画全体に影響が出る手続きです。計画を進める前に、まずは全体の流れと申請先を整理しておくことが重要です。