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農地転用における農地区分とは-農用地区域内農地・甲種農地・第1種〜第3種農地を整理して解説-

農地転用における農地区分とは-農用地区域内農地・甲種農地・第1種〜第3種農地を整理して解説-

農地転用を検討する際、多くの人は
「住宅を建てられるか」「駐車場にできるか」「事業に使えるか」
といった利用目的に目が向きがちです。

しかし、農地転用の実務において、
最初に確認すべきなのは利用目的ではありません。

その農地が、どの農地区分(いわゆる農地のランク)に該当するか
これが、転用の可否を左右する最大の要素になります。

農地法では、農地を一律に扱うのではなく、
立地条件や農業上の価値に応じて農地を区分し、
区分ごとに転用の考え方を変えています。

この記事では、農地転用における立地基準として用いられる

  • 農用地区域内農地

  • 甲種農地

  • 第1種農地

  • 第2種農地

  • 第3種農地

について、それぞれの意味と転用の考え方を体系的に整理します。


農地区分(農地のランク)とは何か

農地区分とは、農地法およびその運用通知に基づき、
農地の立地条件・農業上の利用価値などを基準として定められる分類です。

一般には、

  • 農地のランク

  • 農地の種別

などと呼ばれることもありますが、
制度上は**「立地基準による農地区分」**が正式な位置づけです。

農地区分は次の5区分です。

  1. 農用地区域内農地

  2. 甲種農地

  3. 第1種農地

  4. 第2種農地

  5. 第3種農地

この順番は、
転用制限が強い順
と考えると理解しやすくなります。


なぜ農地にランク(農地区分)が設けられているのか

農地法の根底にある考え方は、
優良な農地を将来にわたって確保することです。

農地は一度転用されると、
元に戻すことが極めて困難です。

そのため、

  • 農業生産性が高い農地

  • 集団的に利用されている農地

ほど、安易な転用を認めない仕組みになっています。

一方で、

  • 市街地内に取り込まれている農地

  • 都市的利用が合理的な農地

については、一定の条件のもとで転用を認めるという
バランス型の制度になっています。


農用地区域内農地とは

農用地区域内農地の定義

農用地区域内農地とは、
市町村が策定する農業振興地域整備計画に基づき、
将来にわたり農業利用を確保すべき区域として指定された農地です。

農地区分の中では、
最も厳格に保護される農地
に位置づけられます。

農地転用の考え方

農用地区域内農地については、
農地転用は原則として認められていません。

転用を行うためには、
事前に
農用地からの除外(いわゆる農振除外)
を受ける必要があります。

この除外手続きは、

  • 対象となる要件が非常に限定的

  • 年に1回または数回しか受付がない自治体も多い

という特徴があります。

実務上の位置づけ

農用地区域内農地は、
農地転用の検討段階で
計画自体を見直す必要が生じやすい区分
といえます。


甲種農地とは

甲種農地の概要

甲種農地は、
市街化調整区域内にあり、
かつ

  • 区画整理等が行われている

  • 良好な営農条件を備えている

といった要件を満たす農地です。

農業生産性が極めて高いことから、
農地区分の中でも
農用地区域内農地に次ぐ厳しい制限
が設けられています。

転用の考え方

甲種農地は、
原則不許可
とされています。

住宅・駐車場・資材置場・太陽光発電など、
一般的な転用目的が認められるケースは、
実務上ほとんどありません。


第1種農地とは

第1種農地の定義

第1種農地は、

  • 集団的に存在する農地

  • 現在も農業利用が行われている農地

など、
農業上の重要性が高い農地です。

甲種農地ほどではないものの、
保全すべき農地として位置づけられています。

農地転用の考え方

第1種農地も、
原則不許可
とされています。

ただし、

  • 公共性が高い事業

  • 代替地が存在しないと認められる場合

などに限り、
例外的に転用が認められる可能性があります。


第2種農地とは

第2種農地の特徴

第2種農地は、

  • 市街地に比較的近接している

  • 将来的に市街化が見込まれる

といった条件を備える農地です。

農業上の価値と、
都市的利用の必要性が
拮抗している区分
といえます。

転用の考え方

第2種農地については、
代替地がなければ転用可能
とされています。

つまり、

  • 他に適した土地が存在するか

  • なぜこの農地でなければならないのか

が、転用判断の中心になります。


第3種農地とは

第3種農地の定義

第3種農地は、

  • 市街地内

  • 市街地に隣接する区域

にあり、

  • 道路

  • 上下水道

などのインフラが整備されている農地です。

農地転用の考え方

第3種農地は、
原則として農地転用が認められる区分
です。

実務上も、
最も農地転用が進めやすい農地区分といえます。


農地区分ごとの転用可否の整理

農地区分と転用の基本的な整理は次のとおりです。

  • 農用地区域内農地:原則転用不可(除外が前提)

  • 甲種農地:原則不許可

  • 第1種農地:原則不許可

  • 第2種農地:代替地がなければ可

  • 第3種農地:原則許可

この構造を理解することで、
農地転用全体の見通しが立てやすくなります。


農地区分はどこで確認するのか

農地区分は、

  • 市町村の農業委員会事務局

  • 農政課などの担当部署

で確認します。

登記簿上の地目や固定資産税の課税情報から、
農地区分を正確に判断することはできません。


まとめ|農地転用の検討は農地区分の理解から始まる

農地転用を検討する際は、

  • その農地がどの農地区分に該当するのか

  • その区分では、どの程度転用が認められるのか

を整理したうえで、
次の検討に進む必要があります。

農用地区域内農地から第3種農地までの違いを理解することは、
農地転用制度を正しく把握するための前提条件といえます。