農地転用にかかる期間はどれくらいか-申請から許可までの流れと時間の目安を整理して解説-
はじめに
農地転用を検討する際、
多くの方が最初に気にするのが
「どれくらいの期間がかかるのか」
という点です。
- すぐに建物を建てられるのか
- 売買契約や工事のスケジュールに間に合うのか
- いつ許可が下りるのか
こうした疑問は、
農地転用の計画全体に直結します。
一方で、農地転用にかかる期間は
一律に決まっているわけではなく、
- 農地の所在
- 市街化区域か市街化調整区域か
- 農地のランク
- 他の法令手続きの有無
などによって大きく変わります。
本記事では、
- 農地転用の標準的な処理期間
- ケース別の期間の目安
- なぜ時間がかかるのか
を整理し、
農地転用にかかる期間の考え方を解説します。
農地転用の期間は「申請してから」だけではない
農地転用の期間を考える際、
注意すべき点があります。
それは、
農地転用にかかる期間 = 申請から許可までの期間
ではない
という点です。
実務上は、
- 申請前の調査・準備
- 申請後の審査・補正
を含めて考えなければ、
実際のスケジュールは見えてきません。
農地転用の全体的な流れ
農地転用の一般的な流れは、
次のようになります。
- 事前調査
- 申請書類の作成
- 農業委員会への申請
- 補正対応
- 農業委員会の意見決定
- 都道府県(または市)の許可
- 許可書の交付
このうち、
どの段階に時間がかかるかによって、
全体の期間が大きく変わります。
申請前にかかる期間の目安
事前調査にかかる期間
事前調査では、
- 農地のランク
- 農用地区域の有無
- 市街化区域・市街化調整区域の別
- 他法令の規制
などを確認します。
この調査には、
数日〜2週間程度
かかることが一般的です。
調査内容が複雑な場合や、
関係機関が多い場合には、
さらに時間を要することもあります。
書類準備にかかる期間
農地転用申請では、
- 申請書
- 配置図・公図
- 資力証明
- 被害防除計画
など、多くの書類が必要になります。
これらの準備期間は、
- 最短で1週間程度
- 通常は2〜3週間程度
を見込むケースが多くなります。
申請後にかかる期間の目安
農業委員会での審査期間
農地転用申請は、
市町村の農業委員会事務局に提出されます。
多くの自治体では、
- 月1回
- 締切日が決まっている
という運用が取られています。
そのため、
締切直後に提出できるかどうか
で、1か月近く差が出ることがあります。
補正対応にかかる期間
申請後、
記載内容や添付書類について
補正を求められることは珍しくありません。
補正対応には、
- 数日で済むもの
- 1〜2週間かかるもの
まで幅があります。
補正の内容次第では、
次回の委員会に回されることもあります。
許可までの標準的な期間
市街化調整区域や非線引き区域での
農地転用許可申請の場合、
- 申請から許可まで約1か月半〜2か月程度
が一つの目安となります。
市街化区域内の届出の場合は、
- 1週間〜10日程度
で処理されるケースが一般的です。
ケース別に見る農地転用の期間
市街化区域内の農地転用(届出)
- 事前準備:1〜2週間
- 届出処理:1週間前後
→ 全体で2〜3週間程度
市街化調整区域の農地転用(許可)
- 事前調査・準備:2〜4週間
- 申請後〜許可:1.5〜2か月
→ 全体で2〜3か月以上
農振除外が必要な場合
農用地区域内農地の場合は、
- 農振除外
- 農地転用
という二段階の手続きが必要です。
農振除外には、
- 半年〜1年以上
かかることもあり、
農地転用まで含めると
1年以上の期間を要するケースもあります。
農地転用の期間が延びやすい要因
農地のランクが高い場合
- 甲種農地
- 第1種農地
に該当する場合は、
審査が慎重になり、
補正や協議が長引く傾向があります。
市街化調整区域で建築を伴う場合
農地転用に加えて、
- 開発許可
- 建築許可
が必要な場合、
同時並行での検討が必要となり、
期間が延びやすくなります。
書類の準備が遅れる場合
資力証明や関係機関の承諾書など、
取得に時間がかかる書類があると、
全体のスケジュールに影響します。
「すぐできる」と誤解されやすいケース
周囲が宅地化している農地
周囲の状況にかかわらず、
農地転用の手続きは必要です。
少しだけ使う場合
面積の大小にかかわらず、
農地転用が必要であれば
同じ手続きと期間がかかります。
農地転用の期間を考える際の整理方法
農地転用の期間を見積もる際は、
- 市街化区域か、市街化調整区域か
- 農振除外が必要かどうか
- 建築・造成を伴うか
という順序で整理すると、
全体像が見えやすくなります。
まとめ
農地転用にかかる期間は、
- 市街化区域か市街化調整区域か
- 許可か届出か
- 農振除外の有無
によって大きく異なります。
一般的な目安としては、
- 市街化区域:数週間
- 市街化調整区域:2〜3か月
- 農振除外が必要な場合:半年〜1年以上
と考えるのが現実的です。
農地転用は、
「申請してから」だけでなく
申請前の準備段階から期間が始まる手続きです。
全体の流れを踏まえて、
余裕を持ったスケジュールを組むことが重要になります。