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開発許可手続きの流れとは?建物を建てる前に確認したい進め方と注意点を解説

開発許可手続きの流れとは?建物を建てる前に確認したい進め方と注意点を解説

「土地に建物を建てようとしたら、役所から開発許可が必要と言われた」
「開発許可の手続きは、どこに相談して、何から始めればよいのか分からない」

このような相談は、行政書士の実務においても非常に多く寄せられます。

土地活用や建築計画を進める中で、初めて開発許可という制度に直面する方は少なくありません。
特に、宅地造成を伴う建築や、農地・市街化調整区域での計画では、避けて通れない手続きになることがあります。

開発許可は、単に申請書を提出すれば完了するものではなく、
事前相談 → 計画整理 → 申請 → 審査 → 許可 → 工事 → 完了検査
という複数の段階を経て進めていく、専門性の高い行政手続きです。

本記事では、行政書士の視点から、次の点を体系的に解説します。

・開発許可とは何か
・開発許可手続きの全体の流れ
・各段階で行う具体的な内容
・実際の申請先と担当部署
・自治体ごとに異なる運用上の注意点
・農地転用との関係で注意すべきポイント

これから建物を建てようと考えている方、土地活用を検討している方にとって、
「何を、いつ、どの順番で進めるべきか」が分かる内容になっています。

開発許可とは何か なぜ建物を建てる前に必要なのか

開発許可とは、都市計画法に基づき、土地の造成や区画変更を行ってよいかを行政が審査し、許可する制度です。

単に建物を建てる行為だけでなく、次のような行為が伴う場合に対象となることが多くあります。

・宅地造成を行う
・道路を新設、または既存道路に接続する
・排水施設や給水施設を新たに整備する
・土地の区画を変更する
・一定規模以上の開発行為を行う

これらは、周辺環境や安全性、インフラへの影響が大きいため、
個人の判断だけで進めるのではなく、行政が事前にチェックする必要があるとされています。

そのため、開発許可は
「建築確認申請の前段階」
「工事に着手する前提条件」
として位置づけられる、非常に重要な手続きです。

開発許可手続きの全体的な流れ

一般的な開発許可手続きは、次の流れで進行します。

1 事前相談・事前協議
2 設計・計画内容の整理
3 開発許可の申請
4 審査・関係機関との協議
5 開発許可の取得
6 工事着手・完了手続き

ここからは、それぞれの段階について、実務上の注意点も含めて詳しく解説します。

① 事前相談・事前協議 開発許可が必要かを最初に確認する

開発許可手続きで最も重要なのが、最初の事前相談です。

この段階で確認する主な内容は次のとおりです。

・対象となる土地の所在地
・都市計画区域の区分(市街化区域、市街化調整区域など)
・開発の規模
・建物の用途
・開発許可が必要かどうか
・他に必要な許認可の有無

多くの自治体では、
都市計画課、開発指導課、まちづくり課
といった部署が窓口になります。

事前相談を行わずに計画を進めてしまうと、
「そもそも開発許可が下りない計画だった」
「別の許可が先に必要だった」
といった理由で、大幅な手戻りが発生することもあります。

そのため、計画初期の段階で必ず役所に相談することが不可欠です。

② 設計・計画内容の整理 審査に耐えうる計画を作る

事前相談で方向性が確認できたら、次は開発計画を具体的に整理していきます。

この段階では、次のような内容を明確にする必要があります。

・敷地の配置計画
・道路との接続方法
・敷地内道路の計画
・排水計画、雨水処理計画
・高低差や擁壁の設計
・周辺土地との関係

開発許可は、技術的な基準に基づいて審査されるため、
感覚的な説明ではなく、図面や数値による説明が求められます。

この計画整理が不十分なまま申請すると、
審査段階で何度も修正を求められ、結果的に期間が長期化します。

実務では、行政書士、土地家屋調査士、設計士などが連携して進めるケースも多くあります。

③ 開発許可の申請 実際の申請先と提出先

計画が整ったら、開発許可申請書を提出します。

申請先の具体例

・○○市にある土地 → ○○市役所 都市計画課・開発指導課
・△△町にある土地 → △△町役場 都市計画担当課

市区町村によっては、都道府県が許可権者となる場合もあります。

役所の総合案内で
「開発許可の相談をしたい」
「都市計画課はどこですか」
と伝えれば、適切な窓口を案内してもらえます。

申請時には、申請書だけでなく、
配置図、求積図、排水計画図、道路関係図面など、
多数の添付書類が必要になります。

④ 審査・関係機関との協議 時間がかかりやすい工程

申請後は、行政による審査が行われます。

主な内容は次の三点です。

① 書類審査
② 技術的基準への適合確認
③ 関係機関との協議

開発内容によっては、次のような機関との調整が必要になります。

・道路管理者
・河川管理者
・上下水道担当部署
・消防署

この段階で、
「追加資料の提出」
「計画内容の一部修正」
を求められることは珍しくありません。

事前相談や計画整理が不十分だと、この工程が長引く原因になります。

⑤ 開発許可 許可が下りて初めて工事が可能になる

すべての審査が完了し、問題がなければ、開発許可が正式に下ります。

許可が出るまでは、造成工事や開発工事に着手することはできません。

無許可で工事を行った場合、是正命令や工事停止命令の対象となるため、
必ず許可書の交付を確認してから次の工程へ進みます。

⑥ 工事着手・完了手続き 次の建築手続きへ

開発許可後は、造成工事に着手し、工事完了後に完了検査を受けます。

完了検査が終了することで、
建築確認申請など、次の建築関連手続きへ進むことが可能になります。

開発許可手続きは自治体ごとに異なる点に注意

開発許可の制度自体は全国共通ですが、
実際の運用は自治体ごとに大きく異なります。

例えば、

・事前協議が必須かどうか
・協議先の数
・審査期間の目安
・提出図面の細かさ

などに違いがあります。

インターネットの一般情報だけで進めるのではなく、
必ず該当する自治体の運用を前提に確認することが重要です。

農地転用と開発許可の関係 順番を誤ると計画が止まる

農地に建物を建てる場合、
農地転用許可と開発許可の両方が必要になるケースがあります。

この場合、

・農地転用が前提条件になることが多い
・手続きの順番を誤ると許可が下りない

といった点に注意が必要です。

農地転用と開発許可は、互いに影響し合う手続きであるため、
初期段階から全体像を整理して進めることが不可欠です。

まとめ 開発許可は事前相談と計画整理が結果を左右する

・開発許可は段階的に進める行政手続き
・最初は必ず事前相談から始める
・申請先は都市計画・開発担当部署
・流れは共通だが、運用は自治体ごとに異なる
・農地転用との関係整理が重要

開発許可は、初期段階での確認と準備が結果を大きく左右する手続きです。
計画を進める前に、全体の流れと必要な手続きを正しく把握しておくことが重要です。

開発許可や農地転用、土地利用に関する手続きでお困りの方は、
早い段階で専門家である行政書士に相談することで、
無駄な時間やコストを抑え、スムーズに計画を進めることができます。