経営革新計画の電子申請について

経営革新計画の電子申請について

今回は、経営革新計画の電子申請についてご紹介いたします。

令和5年3月28日より行政のDXに係る取組の一環として、経営革新計画の承認申請に係る電子申請システムの運用が開始されました、

経営革新計画は、中小企業が新たな事業活動を推進するための重要なステップです。今回は、その申請プロセスを電子申請で行う方法について、具体的な手順と注意点を詳しく解説します。

経営革新計画とは

経営革新計画は、中小企業が新製品や新サービスの開発、新しい生産・販売方法の導入などを行う際に、その計画を策定し、認定を受けるための制度です。

経営革新計画とは、定められた2点の経営指標を超えることを目的に策定した、新規事業の計画のことです。定められた経営指標は、経営革新計画では「経営の相当程度の向上」と表現されます。

【「経営の想定程度の向上」に必要な経営指標の向上率】

①付加価値額または一人当たりの付加価値額 ②給与支給総額
3年計画 9%以上 4.5%以上
4年計画 12%以上 6%以上
5年計画 15%以上 7.5%以上

経営革新計画の策定の効果は、自社の現状の課題や目標、目標達成の道筋が明確になる等があります。ほかにも、経営革新計画を都道府県へ提出し、承認された企業には、経営革新計画の実行に向け様々な支援策が用意されています。具体的には、「政府系金融機関による低融資制度」「中小企業信用保険法の特例」「ものづくり補助金の審査優遇時の加点」などの支援が受けられます。

経営革新計画の電子申請提出可能な都道府県

令和6年4月1日時点で電子申請提出可能な都道府県は以下になります。

令和5年3月28日に全国に先駆けて、愛知県が電子申請システムによる事業者からの申請を受け付けが開始されました。

  • 愛知県
  • 香川県
  • 埼玉県
  • 茨城県
  • 群馬県

電子申請のメリット

電子申請を利用することで、以下のようなメリットがあります。

1,時間とコストの節約:オンラインで手続きを完了できるため、郵送等の手続きにかかる時間とコストを削減できます。

2.迅速な処理:電子請は紙の申請よりも迅速に処理されることが多く、早期に結果を得ることができます。

3.進捗管理が容易: 申請の進捗状況をオンラインで確認できるため、手続きの透明性が向上します。

電子申請の手順について

以下に、経営革新計画の電子申請手順を説明します。

ステップ1: 必要な書類の準備

まず、経営革新計画の申請に必要な書類を準備します。主な書類は以下の通りです。

・ 経営革新計画に係る承認申請書

<法人の場合>

(1) 直近2期分の確定申告書類一式(写)(決算書・勘定科目内訳明細書含む、税務署受付済みのもの)
・電子申告の場合には、税務署へ申告した旨が表示されている「メール詳細」のコピーを
添付してください。
(2) 商業登記簿謄本(履歴事項全部証明書) ※コピー可
・発行から3ヶ月以内のもの
(3) 定款(写)
・原本証明を添付

<個人事業主の場合>

(1) 住民票 ※コピー可
・発行から3ヶ月以内のもので、個人番号(マイナンバー)が表記されていないもの
(2) 直近2期分の確定申告書類一式(写)(決算書含む、税務署受付済みのもの)

ステップ2:アカウント登録

電子申請を行うためには、GビスIDアカウントを登録する必要があります。アカウント取得については、GビズIDサイトにてご確認願います。GビズIDアカウント取得については、時間を要するため、余裕をもって申請することをおすすめします。

https://gbiz-id.go.jp/top/index.html

ステップ3.申請用ウェブサイトにアクセス

経営革新計画電子申請システムにアクセスし、「ログイン」をクリックします。その後「GビズIDでログイン」をクリックしてください。

経営革新計画電子申請システムのアクセス先

https://www.keieikakushin-test.go.jp/

ステップ4: 申請画面の入力

初回ログイン時のみ、ユーザー情報の登録画面が表示されます。必要情報を入力してください。

次に「初めて申請する場合」「申請済みの申請情報を確認する場合」に分かれます。

・初めて申請する場合:「新規申請」ボタンをクリック。

・申請済みの申請情報を確認する場合:「申請履歴ボタン」をクリックする。

必要事項を全ての申請内容を入力して「内容確認」ボタンをクリックします。入力内容に問題がある場合は、エラーメッセージが表示されますので、メッセージに従って適時修正して下さい。

ステップ5: 新規申請の場合、書類のアップロード

準備した書類を電子申請システムにアップロードします。

ステップ6: 申請内容の確認と提出

アップロードした書類を確認し、申請内容に間違いがないかチェックします。問題がなければ、申請ボタンをクリックして提出します。

申請内容の審査について

申請内容や添付書類に不備があった場合は、申請先の都道府県から指摘内容がメールで配信されます。メールに記載されていた内容に従い、対応してください。

審査が完了した場合、申請が承認された旨の通知メールが届きます。

 注意点

・提出先の確認:申請時に提出先を選択する画面があります。申請先は法人であれば本店所在地、個人事業主であれば住民登録のある都道府県になります。

・経営革新計画電子申請のサイトは、PC を利用し、インターネット経由でアクセスします。携帯電話やスマートフォンからは利用できません。

まとめ

経営革新計画の電子申請は、電子申請提出可能な都道府県は5つしかありません。効率的かつ迅速に手続きを進めるための便利な方法ではあります。ただ、経営革新計画の審査は年々厳しくなっており、計画書の内容も「新規性」「実現性」「革新性」の詳細部分まで求められています。今回ご紹介した電子申請手順は郵送、印刷の手間など効率化できるメリットはありますが、計画内容についての指摘は何度が来ると思いますので、計画内容の修正の手間は従来通り変わらないと思います。電子申請可能な地域の都道府県で経営革新計画の申請を検討されている方はチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

引用サイト:経営革新計画電子申請システムマニュアル

manual (keieikakushin.go.jp)